「容量はもっと欲しい。でも、これ以上サイズが大きくなるのは絶対に嫌だ」
そんなキャンパーや車中泊ユーザーの切実な願いを叶えるモデル、Jackery 600 Newが登場しました。
最大の衝撃は、人気モデルである弟分、500 Newと全く同じサイズであること。見た目は同じなのに、中身は容量が約25%アップしています。
しかし、気になるのはセール時の基準で約2万円という価格差です。果たして「+128Wh」の増量に、それだけのお金を払う価値はあるのでしょうか?
今回はポータブル電源の専門家が、600 Newと500 Newを徹底比較し、あなたが選ぶべきはどっちなのかをズバリ結論づけます。
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Jackery 600 Newの基本スペック情報

- 定格容量:640Wh
- 定格出力:500W(瞬間最大1000W)
- バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン電池
- サイクル数:6000回
- 重量:6.4Kg
- AC充電:1.7時間でフル充電
- ソーラーパネル最大:200W
- ソーラーパネル充電(200W):3.8時間
- 並列接続:不可
- 容量の拡張:不可
- 出力ポート構成:AC×2、USB-C×2、USB-A×1、シガーソケット×1
- EPS機能:あり
- パススルー機能:あり
- 専用アプリ:なし
- 騒音値:36dB以下
- 発売日:2025年10月
- 定価:86,000円
- セール時の価格(目安):56,000円前後
Jackery 600 Newのスペック情報(Jackery公式)
500 Newとスペックがほぼ同じ。メーカーの戦略とは?
Jackery 600 Newと500 Newはスペックがほとんど同じです。サイズも外観も全く同じ、つまり同じ筐体を使用しています(重さは0.7Kgだけ増加しています)。
違うのは容量くらいで、600 Newが640Wh、500 Newが512Whです。
ではなぜメーカーは同じようなスペックのモデルを新たに発売したのでしょうか?
一見するとたった25%の容量の増加に見えますが、ポータブル電源を実際に使い込んだ人が一番感じる不満や不安を、サイズを変えずに解消しようとするアプローチだと筆者は推測しています。
Jackeryが500 Newと同じ筐体で600 Newを投入した理由は、500Whクラスのユーザーが抱えるジレンマを解決するためでしょう。
具体的には、以下の3つの大きなメリットがあります。
- 朝まで持つのか?という不安を解消
- 収納性は変えずにスペックだけ上がる
- バッテリー寿命の実質的な延長効果
朝まで持つのか?という不安を解消
これが一番のメリットだと思います。
多くのキャンパーや車中泊をする人にとって、500Whクラス(500 New)は1泊ならギリギリ持つという容量です。
しかし、冬場に電気毛布を使ったり、少し消費電力の高い冷蔵庫を使ったりすると、明け方の4時や5時にバッテリーが切れて、寒くて目が覚めるという経験をすることも多いです。
600 Newのプラス128Wh(約25%増)は、単なる数値の増加ではありません。
- 500 Newの場合: 明け方4時に切れる(寒くて起きる)。
- 600 Newの場合: 朝7時の起床時まで持ちこたえ、さらにスマホを充電する余力が残る。
メーカーはこのような、快適な朝を迎えられるかどうかの決定的な境界線を熟知しており、サイズを大きくせずにそのラインをクリアできる製品として600 Newを設計したのだと推測できます。
収納性は変えずにスペックだけ上がる
通常、容量を上げれば本体は大きく重くなります。しかし、車への積載スペースや自宅の収納棚は限られているという場合。
「もっと容量は欲しいけど、これ以上大きいと邪魔になる」「1000クラスは重すぎて持ち出したくない」という層は非常に多いです。
600 Newは500 Newが入る場所ならどこでも入ります。
- 軽自動車の隙間
- オフィスのデスクの下
- 防災リュックの横
収納のしやすさを変えることなく、性能だけをグレードアップできる。
これは、住環境や車内スペースに制約がある人にとって大きなメリットです。
バッテリー寿命の実質的な延長効果
バッテリーは使えば使うほど劣化し、しばらくすると新品時の80%程度の容量になります。 500Whのバッテリーが劣化すると400Wh程度になり、実用性が大きく下がります。
しかし、640Whスタートの600 Newであれば、将来的に劣化しても500Wh(500 Newの新品同等)の容量を維持できます。
初期投資は少し高くなりますが、将来的に使える電気の量に余裕を持たせることができます。
メーカー側としても、同じ筐体を使うことができるので開発コストが低く済むというメリットがあると考えられます。
スペック比較:500 New vs 600 New
ここでは、もう少し詳しく500 Newと600 Newを比較してみました。
| 項目 | 500 New (弟) | 600 New (兄) |
| 容量 | 512Wh | 640Wh |
| 出力 | 500W | 500W |
| サイズ | 同寸 | 同寸 |
| 重量 | 5.7kg | 6.4kg |
| 充電速度 | 70分 | 1.7時間 |
| 価格(セール) | 3.5万円台 | 5.6万円台 |
容量
25%の差は大きいです。電気毛布(50W)なら約2時間くらい稼働時間が伸びる計算です。この差は冬場の車中泊で生死(快適性)を分けます。
出力
出力は全く同じなので、500 Newでも600 Newでも、動かせる家電の種類は変わりません。
サイズ
この点は非常に素晴らしいです。容量が増えるとサイズが大きくなるのが常識ですが、これを維持したのは高く評価できます。
重量
600 Newが0.7kg増えています。持ち比べれば分かる差ですが、6.4kgならまだ片手で持てる許容範囲内でしょう。エネルギー密度が高まった証拠。
充電速度
ここが弱点ですね。容量増に伴い、熱設計の安全マージンを取ったのか、充電速度は500 Newより遅くなっています。
価格(セール時)
約2万円の差です。容量1Whあたりの単価(コスパ)だけで見れば500 Newが圧倒的に優秀。
600 New(Jackery公式)
500 New(Jackery公式)
メリット・デメリットの深掘り
3つのメリット
500 Newと比較して価格は上がりますが、その差額を払うことで得られる3つの余裕こそが、この機種の真のメリットです。
- 節約を意識しなくていい心の余裕
- 置き場所を変えずに防災レベルを上げる空間の余裕
- ちょっとした時給自足も可能に
節約を意識しなくていい心の余裕
スペック上の差は「+128Wh」ですが、実際の使用感における差は数値以上に大きいです。
500Whクラス(500 New)では、スマホ、LEDランタン、電気毛布などを同時に使う際、どうしても「あとどれくらい残っているかな?」とチラチラ画面を確認し、「スマホの充電は後回しにしよう」といった小さな我慢(節電)が必要になる場面があります。
600 Newの640Whという容量は、この「小さな我慢」を「まあ大丈夫だろう」という安心感に変えてくれます。
また、余剰分の128Whは、小型炊飯器でご飯を1回炊く、あるいは電気ケトルでカップ麺のお湯を沸かすことができるエネルギー量に相当します。
基本セット(スマホ・照明・毛布)に加えて、温かい食事を作るエネルギーが残されていることは、キャンプや停電時における満足度(QOL)を劇的に向上させます。
置き場所を変えずに防災レベルを上げる空間の余裕
ポータブル電源は、買ったはいいけど意外と大きくて邪魔になりがちな家電です。しかし、600 Newは違います。
600〜700Whクラスのポータブル電源は、通常もう一回り大きくなるのが相場です。しかし600 Newは、500 Newと全く同じコンパクトさを維持しています。
本棚の隙間、防災リュックの隣、車の座席の下など、今の生活スペースを1ミリも犠牲にせずに、ワンランク上の電力確保が可能になります。
そして、1000Whクラス(10kg以上)になると、棚から降ろしたり車に積んだりするのが億劫になり、結局使わなくなくなるということも……。
6.4kgは、2Lペットボトル3本分。女性でも片手で持ち運べるギリギリのラインです。いざという時に、家族の誰でもサッと持ち出せる最大容量として、600 Newは最もバランスの取れた選択肢です。
ちょっとした時給自足も可能に
ソーラー充電 3.8時間(200Wパネル使用時)という数値は、このクラスとして非常に優秀です。
容量が増えた分、充電に時間がかかると運用が難しくなりますが、3.8時間で満充電できるなら、日照時間が短い冬場でも1日でほぼ満タンに戻せます。
- 夜間: 640Whの大容量でたっぷり使う。
- 昼間: 高効率なソーラー充電でしっかり回復させる。
このサイクルを回す際、500 Newよりもバッテリー容量の母数が大きいため、曇りで発電量がイマイチだったとしても、夜に使える残量が確保しやすい(バッファがある)というメリットがあります。
これは長期的な停電対策として非常に心強い点です。
【メリットまとめ】
600 Newを買うということは、単に電気を買うのではなく、ギリギリを攻めなくていい安心感と場所を取らないスマートさにお金を払うということです。
大は小を兼ねるが大きすぎると邪魔になる、というポータブル電源の宿命的な課題に対し、小のサイズで、中の容量を実現した点に、価格差以上の価値を感じられるはずです。
デメリット
デメリットは主に「コスト対効果」と「出力の制限」の2点に集約されます。
- 「+128Wh」に2万円を払う価値があるか?
- 容量は増えてもパワー(出力)は変わらない
- AC充電速度の30分の遅れ
「+128Wh」に2万円を払う価値があるか?
これが最大の悩みどころです。セール時の価格で計算すると差額は約2万円あります(執筆時点)。
1Whあたりの単価で計算してみます。
- 500 New: 1Whあたり 約70円(35,800円÷512Wh)
- 600 New: 1Whあたり 約87円(55,900円÷640Wh)
単純な電気の量り売りとして見ると、600 Newは500 Newに比べて約25%も割高です。
この差額の2万円があれば、Jackeryのソーラーパネル(100W前後)など、他の用途にお金を使うことができます。
2万円追加して本体容量を増やすのと、安い500 Newを買って他の設備を充実させるのと、どちらが自分のスタイルに合っているか? ここを冷静に計算しないと、割高な買い物になるリスクがあります。
容量は増えてもパワー(出力)は変わらない
ここが初心者の方が最も勘違いしやすいスペックの罠です。
600 Newという上位モデルだから、500 Newでは動かなかった家電も動くようになるだろうと期待してはいけません。
使える家電の種類は500 Newと全く同じ 定格出力はどちらも500Wです。
つまり、容量が増えても、1000Wのドライヤー、1200Wの湯沸かしポット、800Wのセラミックヒーターなどは動きません。
他メーカーの同容量帯(600〜700Whクラス)の製品では、定格出力を800W〜1000Wまで引き上げているモデルも存在します。
それらと比較すると、640Whもの容量を持ちながら500W出力止まりというのは、少しバランスの悪さを感じる場面があるかもしれません。
AC充電速度の30分の遅れ
500 Newが70分で満充電できるのに対し、600 Newは1.7時間(約100分)かかります。
出かける直前に充電し忘れていたことに気づいた!というシチュエーションでは、この30分の差が響きます。
同じ筐体にぎっしり電池を詰め込んでいるため、熱設計の観点から充電速度をあえて抑えている(安全マージンを取っている)と推測されますが、
進化版なのに充電が遅くなっているという点は、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する人にとってはストレスになるかもしれません。
【デメリットまとめ】
高出力家電を使いたいと思っていたり、コスパ最優先なら600 Newは合わないかもしれません。
逆に、使える家電はスマホや電気毛布などの小物だけでいい。でも、それらを長時間安心して使いたい。そして場所はとりたくない」という場合は合うでしょう。
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600 Newがおすすめな人
Jackery 600 Newを買うべき人、500 Newでも十分な人をまとめてみました。
600 Newを買うべき人
- 保管場所や車載スペースは1ミリも増やしたくないが、容量は少しでも多く欲しい人。(軽自動車での車中泊ユーザーなど)
- 冬のキャンプや車中泊で、電気毛布を一晩中「中〜強」モードで安心して使いたい人。
- 500 Newの安さよりも、防災用として「1日でも長くスマホを持たせたい」という安心感を買いたい人。
500 Newで十分な人
- 初めてポータブル電源を買う人(コスパ重視)。
- デイキャンプや、ちょっとしたBBQでのスマホ充電・扇風機駆動がメインの人。
- 足りなくなったら車のシガーソケットから充電すればいいと割り切れる人。
総評: 600 Newは、500 Newの単なる上位互換ではなく、コンパクトさへの執着と容量への欲求という矛盾するニーズを、コスト(価格と充電速度)を犠牲にして解決した意欲作と言えます。玄人好みのモデルですね。
記事まとめ
Jackery 600 Newは、単に容量が増えただけのモデルではありません。
これ以上、荷物を大きくしたくない。でも、あと数時間の電気が欲しいという、アウトドアや防災の現場で誰もが感じるジレンマを解消するモデルです。
最後に、改めて選び方を整理します。
コスパ最優先なら、迷わず500 New
浮いた2万円でソーラーパネルなどの設備を充実させるのが賢い選択です。
場所を取らない最大容量が欲しいなら、600 New一択
冬の朝まで電気毛布が持つ安心感、収納場所を変えずにスペックアップできる快適さは、価格差以上の価値をもたらします。
2万円の差額は、寒さに震えなくて済む朝とスペースの自由への投資とも言えますね。
ぜひ、あなたのスタイルに合った一台を選んでください。
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